KAN『エキストラ』

意地悪な言い方をすれば『永遠』『君を待つ』『アイ・ラブ・ユー』といった過去の同系曲の令和最新版って感じ。もう既聴感バリバリ。手垢にまみれた何の変哲もないラブソング。

なのに泣いちゃうっていうね。うん。「いつもと同じじゃねーか」とか思ってても、聴くともうダメ。号泣。新しいとか古いとか関係なく、美しいメロディに乗せて愛の言葉を紡いだら人の心って簡単に震えるんだなってことをあらためて思い知らされる。もはや目の前でタマネギみじん切りされてるようなもん。そりゃ泣くだろ!ずりーよ!っていう。

あと、KANの声がいい。美しい声質や広い音域があるわけではないんだけど、それが逆に絶妙な「小市民感」に繋がってると思う。親近感の沸く歌声というか。多くのボーカリストが個性的な声質か高い歌唱力、あるいはその両方ってパターンだと思うので、KANのようなタイプって非常に稀有なんじゃないかな。褒めてますよ、ええ。

大好きです

好きです

大好きです

好きです

決してこの思いが届かなくても

大好きです

それだけ

それにしてもこんなド直球のサビってあるかよ。女子中学生の裏垢twitterかよ。どんな感性してるんだよ58歳。というわけで槇原敬之『Love Letter』と双璧を成すタマネギみじん切りソングに認定。大好きです。それだけ。