だけど信じてる

青春ゾンビのヒコさんが先日のエントリで『魔法陣グルグル』のOP『晴れてハレルヤ』の素晴らしさに言及していて禿げ上がるほど同意したよ。OPのアニメーションも良く出来ていて、毎週楽しみにしていたのを覚えてる。

ククリは初恋のアニメキャラと言って良いかも知れないな。同世代の女の子と世界を変える旅に出るって、もうそれだけで子供心ガッチリだもの。個人的にはED『Wind Climbing ~風にあそばれて~』も印象深く心に残っている。

奥井亜紀の力強くて優しくて真っ直ぐな歌声と、等身大の歌詞の素晴らしさよ。アニメソングとしての圧倒的な正しさに身が震える。ググってみたら何かと話題の新田恵海さんもイベントで歌っていたようで、

どうにもならない今日はせめて

笑い話に変えられますように

どうにもならない今日だけど

平坦な道じゃきっとつまらない

君と生きていく明日だから

這い上がるくらいでちょうどいい 

なるほど風にあそばれたのか。これから頑張って笑い話に変えて欲しいし、なんとか這い上がって欲しい。むしろ這い上がったと言うべきか。とまぁ、こんな下衆なことを考えてしまうとき、年を経ることに後悔と一日が過ぎていく恐怖を感じますね。

 

HITS 1 JAPAN

HITS 1 JAPAN

 

そうそう、『Wind Climbing ~風にあそばれて~』が収録されている作品をレンタルショップで探して、奥井亜紀のアルバムは見つからず、しかしアニメのサントラを借りるのが恥ずかしかった当時の俺は、このコンピレーションアルバムに辿り着いたんだった。竹内まりや純愛ラプソディ』、槇原敬之『SPY』、山下達郎『パレード』、森高千里『素敵な誕生日』、THE BLUE HEARTS『夢』……このアルバムで出逢った曲たちが、わりと俺の音楽体験のルーツというか原風景だったりする。当時からHOUND DOGはちっとも良いと思えなかったな。基本的にパートナーを「お前」と呼ぶ曲が苦手だ。

中でもやっぱり槇原敬之『SPY』は特別に気に入って、小学生の頃に初めて友達と行ったカラオケで歌ったのもこの曲だった。知ってる人がいなくてショックだったなぁ。逆に俺は友達が歌うミスチルとかドリカムとかウルフルズが全然分からなくてカルチャーショックを受けたんだった。


何年か前に出たマッキーのトリビュートアルバム、人選とか選曲とかアレンジがイマイチだったけど、一青窈の『SPY』だけは情念ドロドロ渦巻く感じが滲み出てて良かった。彼女の場合、スパイというより、そのまま暗殺してしまいそうなスナイパーのようだ。SOIL&"PIMP"SESSIONSのスリリングな演奏も拍車をかけて素敵。えみつんファンはこの曲の主人公のような心境なんだろうか。

クリームソーダをもう一杯

ダルビッシュの復帰戦やばかったすね。スリークォーター気味だったフォームがオーバースローになって球威が増したのと、投げ終わった後に身体が流れずピタッと静止していたのが印象的。このまま大活躍して、ウェイトトレーニングを否定する旧態依然とした野球人たちを黙らせて欲しい。

 

Strings

Strings

 

ネオアコ/ギターポップに管楽器や弦楽器が加わって、軽快かつ芳醇。ちょっとミックスが勿体ない気もするけど、ラフな感じもそれはそれでサマになってるね。『セカンドサマーオブラブ』の清涼感のあるメロディラインにはSpaghetti Vabune!を思い出さずにいられないな。歌声もどことなくcagesvに似てる。男女ツインボーカルも聴いてみたかった。

くたくたになって遊びに行って

あの娘に声かけず泣いて帰るよ

最近こんな感じ

セカンドサマーオブラブ

 この意気地なしっぷりが実によろしい。

 

THE BLUE BOY

THE BLUE BOY

 

彼の作品をリアルタイムで聴くのは実は初めてだったりする。過去作もほとんど聴いたことがなくて、CSのサッカー番組で使われていた『Footballing Weekenders』や『Fantastic Game』といった楽曲をピンポイントで知ってるくらい。90年代~00年代初頭、俺みたいな田舎の偏屈野郎からするとオザケンとかカジヒデキってのは「いけすかない野郎」の代表格だった。嫉妬とか羨望が入り混じって、思わず忌避してしまう、そんな対象。当時の俺はもっぱら山下達郎とか槇原敬之のほうに親近感を抱いておりました。そんなわけで今日までなんとなく避けてきたのだけど、ふと見かけた『5時の渋谷で!』という楽曲タイトルに負けてapple storeでダウンロードしてしまった。

鈴木雅之菊池桃子『渋谷で5時』、マーチンファンの母親がよくカーステで聴いていて、俺にとってはこの曲が渋谷系の原点(?)だったりする。MVを初めて見たときは笑ったなぁ。謎の名刺とかクリームソーダとか。

どうでもいいけど、「海ぶどうをカメラに見せびらかす鈴木雅之」の破壊力やばい。

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構図といい、表情といい、「そもそも何だこの写真」感といい、何もかも完璧すぎる。どんなに辛いことがあってもこの写真さえあれば笑って生きていけそうな気がする。

だいぶ話が逸れた。違う、そうじゃない。カジヒデキの新譜。『5時の渋谷で!』はタイトルをもじっただけで他には一切『渋谷で5時』感がなくて残念だったけど、アルバムそのものに関して楽しく聴けたよ。のびのびとしたバンドサウンドとエヴァーグリーンなメロディ。一曲目『メロディ』で高らかに

日曜日はピクニックに出かけよう

と俺らを誘う49歳の短パンおじさん。ピクニックて。普通の人がやったら変質者でしかないんだけど、彼が歌えばポップに響くから不思議だな。あと、『なつやすみを待っている』『キケンなサマーブリーズ』『サマー・ディサイプルズ』『はじめての初夏の恋』と、タイトルが被りすぎてるのも微笑ましい気持ちになる。

今日までそして明日から

広島カープ首位独走。巨人3タテ出来るとは思ってなかったので嬉しい。2戦目の野村降板のタイミングといい、3戦目の九里続投の決断といい、緒方監督の采配も冴えていて怖いくらいだな。好調横浜との3連戦と交流戦序盤で一気に崩れ落ちそうな予感もするけれど、何とか持ちこたえてもらいたい。

 

never young beachが6月8日リリースの新作から『明るい未来』のMVを公開。


良い曲だなぁ。相変わらずボーカルのルックスが在りし日の山下達郎そのままで笑ってしまう。達郎と言えば、過去にインタビューで

去年、ライジングサンっていうフェスティバルに出て、すごく評判だったのが相対性理論。僕、それでCD聴かせてもらいましたけど、素晴らしかったですね。ただ、彼らみたいなのは僕らの世代の音楽にちょっと憧れがあったりするようだけど、絶対先達に媚びちゃダメですよ。ジジイの餌食にならないように気をつけないと(笑)。僕らのときは年上の世代に憧れるなんてことは一切なかった。全部倒すべき敵だったからね(笑)。 

こんな発言をしていて、本当にロックな人だと思ったことがある。昨今、山下達郎小沢健二といった反体制のシンボルだったミュージシャンが権威化してフォロワーを生み出してしまっているパラドックスが起きてるけど、こういう反骨精神は持っていて欲しい。さもなきゃオトナ帝国でケンが作ろうとした世界になってしまう。明るい未来に就職希望だわ。

 

というわけでモーニング娘。'16の新曲『泡沫サタデーナイト!』。

EW&Fオマージュがこぶしファクトリー『押忍!こぶし魂』とモロ被りなのはご愛嬌として、ファンキー小僧が涙モノ!アシャンテ族も大フィーバー!って感じで最高すね。脳天気な無敵感が素晴らしい。作詞作曲は津野米咲(ex.赤い公園)。SMAP『Joy!!』といい、「俺たちが好きな○○」をきっちり引き出してくれるあたり、当代随一のマエストロと言って良いのでは。ズッキの煽りDJパート、とんねるず『嵐のマッチョマン』『炎のエスカルゴ』におけるマイケル石橋のノリを思い出すのは俺だけかな。だろうな。

君のことを思い出させる季節になりました

その昔、暇を持て余して一人で映画館に行って、ナイト・シャマランの『サイン』を観たことがある。俺の記憶が確かなら日本での公開初日。つまり2002年9月21日。劇場で『インソムニア』にしようか悩んだものの、「あの大ヒット作『シックス・センス』の監督の最新作」みたいな煽りポスターを見て『サイン』に決心したのを覚えている。2時間後、放心しながら映画館を出た。「なんだあのクソみたいなオチは」と。

ということで長らく俺の中で「キング・オブ・クソ映画」として君臨していた『サイン』。先日CSでやってたのでゲラゲラ笑ってやろうと観賞。すると「あれ、意外と良いじゃん」「むしろ面白い」「そういう映画だったのか」と、みるみる名誉挽回。それまで俺がクソ映画だと思っていたポイント、たとえば宇宙人の造形だとか、そういう部分にこそ意味が隠されていて、すごくイギリス的な皮肉っぽい映画なんだと気付かされた。超保守的なカトリックであるメル・ギブソンを起用したのも一種のサインだったんだなぁ、と14年越しで納得。これまでの懺悔も込めて、このたびブルーレイ盤を購入するに至りました。シャマランごめんな。

サイン [Blu-ray]

サイン [Blu-ray]

 

こんな風に「クソだな」と思っていたものが実はクソじゃなかったりするので、さっき俺のパンツに付いていたものもクソじゃないのかも知れない。……なんだこのクソみたいなオチは。

 

オールドスタイルかつ季節感ゼロで、何にも迎合しない感じがミツメらしい。アルバムが楽しみ。『真夜中』とか『キッズ』とか『幸せな話』とか、既に発表されてるトラックタイトルだけ眺めても期待が持てる。

いやしかし、ceroとかシャムキャッツとかミツメは好きだけど、合コンで持って帰るなら西野カナを聴いてるような子が良いなぁ、とボンヤリ思ってみたりする。何年か前、初めて会ってそのままカラオケ行った女の子に、いきなり空気公団を歌われて牙を抜かれたなぁ。わざわざ新幹線で会いに行ったのになぁ。いっそのこと小谷美紗子とか鬼束ちひろを歌ってくれたら虎穴に入らずんば的な好奇心が生まれたのに。

 

これを書いてる間にスチャダラパーSMAP×SMAPに出演の報。ダウンタウンの深夜番組に出演して嫌いなミュージシャンの話をしてたスチャが、スマスマでブギーバック。成し得た感ある。「レッツロックオン」もやるということなので

また誰かのこと恨んでる

本質ずらして目くじら立ててる

奴らを横目に独自路線

 ここのリリックを日本中に轟かせて欲しい。

エレクトロ・ワールド

ヒゲ以外にも色んな体毛を剃りたがる人間なので、今までずっとT字カミソリ派だったんだけど、このたび仕事の関係で電動シェーバーをタダ同然で入手。

ブラウン クールテック メンズシェーバー 3枚刃 CT6cc

ブラウン クールテック メンズシェーバー 3枚刃 CT6cc

 

これ。スイッチ入れると結構でかい音がして、肌に触れる瞬間は大人のオモチャを初めて使う女の子の心境だったよ。いや分かんねえけど。どんな心境なのかな?_?

ヘッドのところに肌のひりつきを抑制する冷却ユニットがついてて、たしかに肌に当てるとひんやりする。んっ……いつも(T字カミソリ)より……気持ち良いっ……ハマっちゃうよぉ……というわけで一日に二回も剃ってしまった。ブラウンみたいな海外資本の家電メーカーが大人のオモチャ作ればヒットしそうな気がするな。ブラウンモーニングレポートやってほしい。日本メーカーがそれに追従して、シャープがプラズマクラスター搭載バイブを発表する未来まで見える。ソニーのローターはたぶんBluetoothで音楽が聴ける。

話が逸れた。今回のシェーバーの入手経路について、一部で「職権濫用ではないか」との声も挙がっておりますが、第三者の公正な目でチェックしてもらった上で対応していくつもりです。厳しく精査していただいて、その上でムダ毛処理をしっかりして、信頼を回復したいと考えています。

RIDE ON TIME

腕時計は男のステータス!ということで思い切って購入。Amazonで¥1,070。この腕時計に見合った男になれるよう精進します。

 

恋愛小説2~若葉のころ

恋愛小説2~若葉のころ

 

昨年の洋楽カバーアルバムに続いて、今作は邦楽カバー。プロデュースは伊藤ゴロー、バックを固めるのは手練れのミュージシャンたち、という時点で一定のクオリティは担保されている。選曲も王道。面白味はなくとも安心して聴ける一枚って感じ。自分はapple musicでダウンロードしたので音質については言及できないけど、SHM-CDのミックスやハイレゾ音源の評判も良さそう。

 

で、アルバムリリースに合わせて出演した音楽番組で欅坂46と歌った『時をかける少女』が良かった。

自分が15歳の時に歌った曲を、48歳になった今、14歳の女の子とデュエットするってのは感慨深いだろうなぁ。冒頭の左右から二人が歩いてくる演出で、ふと『サニー 永遠の仲間たち』が浮かんだ。失恋した過去のイム・ナミを現在のイム・ナミが慰めるシーン。自分のことながら『時をかける少女』から『サニー 永遠の仲間たち』に行き着く文化的な贅沢っぷりに震える。

そういえば原田知世はボニーMの『サニー』もカバーしていたな、と思ってゴンチチプロデュースの『Summer breeze』(2001)を久々に聴いてみて、基本的にこの頃から原田知世の音楽活動はブレていないことを再確認。

 

動画の『時をかける少女』に戻るけど、実は原田48よりも欅坂46に相当ヤラれている。振付が絶望的に楽曲とマッチしていないにも関わらず健気に踊っている姿が微笑ましい。

平手ちゃん、大所帯における個体識別性が高い上に歌声もスペシャルワンで惚れ惚れするな。これは大エースですわ。それから、キリッとした平手ちゃんの対極にいるようなポワンとした存在感を放つ長濱ねる(2分29秒~ソロ)も最&高。ちょっと可愛すぎじゃないですかね。メンバー入りの紆余曲折とか見る限り、運営は二枚看板として育てていくんだろうか。いいぞ、もっとやれ。

ぼくらが旅に出る曲が好きな理由

 

相変わらずアイドルネッサンス石野理子に首ったけ。このたび、こぶしファクトリー『チョット愚直に!猪突猛進』を口ずさむシーンが公開されてテンションがガンガンズイズイグイグイ上昇したことをメロラップに乗せて報告させていただきます。それにしても彼女はスター性の塊だな。アクターズスクール広島では鞘師里保中元すず香の背中を見て育ったという実力派で、絵がヘッタクソ個性的なのもポイント高い。ソロでの仕事も増えてきてるようだけど、彼女単体じゃなくてアイドルネッサンスとしてブレイクすることを祈るばかり。

 

World's Magic

World's Magic

 

the fin.やNINGENCLUBらと共に関西インディーズで注目されていたNOKIES! のフロントマン、クメユウスケを擁するSpecial Favorite Musicの1stアルバム。NOKIES!の北欧風インディーポップとは打って変わって、SFMは歌謡テイストの強いモダンなシティポップ。この変わり身の早さというか振れ幅の大きさがイマドキの才能ある若者だなぁと感じる。

ホーンやヴァイブラフォンの使い方が本当に洒落ていて心憎い。低血圧なボーカルと繊細なコーラスワークも良い。ゴージャスで淡くて儚い感じがまさにマジックアワー。リフレインされる『旅に出ようぜ』というフレーズには『ばらの花』を思い出さずにいられない。「ここではないどこかへ」というのは芸術の普遍的なテーマだなぁ。

 

グリーン・マシーン

Greene Machine

 

Ed Greeneって洋楽に疎い自分でも知ってるくらい有名なドラマーだけど、たしかに今まで彼名義の作品って聴いたことないなと思ったら初のリーダー作品なんすね。しかも日本独自リリースとのこと。

めちゃ良かった。ゲストボーカルを迎えた『Green Light』のエヴァーグリーンっぷりに一発ノックアウト。個人的にはMETAFIVE『Don't Move』と年間ベストトラック競いそうな勢いで好き。大御所にこんなの作られたら敵わんっすよ、という若手の溜息と嫉妬が聞こえくるようだ。切れ味の鋭いギターリフにトリップする『On My Way』や、今にもDonald Fagenが歌い出しそうな雰囲気の『Summertime Parade』などなど、最高峰のシティソウル/AORの釣瓶撃ち。たまらんっす。これ、本当に日本独自リリースでいいんだろうか。