悲しみに似た薄紅色

グルメブロガーはモテると聞いたので今日からここはグルメブログです。どうぞよろしく。記念すべき第一回目は、静岡県静岡市清水区由比の桜えび料理店・くらさわや。北海道HTBの『おにぎりあたためますか』で大泉洋がこの店のかき揚げを絶賛しており、2011年に放映された『水曜どうでしょう』原付企画においてもどうでしょう軍団が訪れている。『美味しんぼ』にも登場しているらしい。

そんなわけで行ってきた。東海道五十三次の宿場としても知られ、旧街道は今もその趣を残している由比。まぁ趣は良いんだけどよ。くらさわやに続く道が狭いのなんのって。完全に地元民の生活道路。マジでこの先に有名店があるの?ってレベル。辺りも暗くなり、対向車とすれ違えないような細い路地を、神経をすり減らしながらナビを信じて進むこと10分ほど。ようやく到着。以下に渾身のレビューを記す。我ながらめちゃくちゃ参考になるレビューだと思う。いいか。いくぞ。

 

臨時休業があるので出発前にその日の営業を確認しておくべき。

以上。

 

さわやかでハンバーグ食って帰った。

ヴァレンシュタインは三十年戦争の隊長なのさ

寒波吹き荒れる中いかがお過ごしですか。俺は相変わらずいかがわしく過ごしております。なぜか世界史の参考書を買ってきて読み耽り、アナーニ事件とかヌメリアヌスという語句に思わずアンダーラインを引いてしまう今日この頃。

Facebookがつまらない」と知り合いに愚痴をこぼしたら、「それは貴様がプロフィールをデタラメに設定してる所為だ」という有り難いアドバイスを頂戴したので八つ裂きにして駿河湾に沈めた。何にも分かっちゃいない。まっこと。名前や住所に何の意味がある。生まれた所や皮膚や目の色で、一体この俺の何が分かる。健やかなる時も、病める時も、喜びの時も、悲しみの時も、富める時も、貧しい時も、いついかなる時も、俺は俺だ。もっと言えば俺という概念の存在だ。存在の証明に名前は要らぬ。何故なら名前など無くとも存在は成立するからだ。意味が分からない?安心しろ。俺もよく分かっていない。

どうでもいい。「いいね!」なんて要るかボケカスロマック。俺が欲しいのはもっとこう、黒くて硬い、チで始まってコで終わる固形物だ。2月中旬くらいにそれが欲しい。それを貰うためならば俺は喜んで名前や住所を晒そう。そして二人でインカ帝国(首都クスコ)初代皇帝マンコ・カパックについて理解を深めよう。それとも君はデモクリトス派かな?(?_?)

2016年のアルバム9枚

あんまり深く吟味とかせずに、「これよく聴いたな」ってのを9枚ピックアップ。

 

Ed Greene『Greene Machine』

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Ed Motta『Perpetual Gateways』

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Norah Jones『Day Breaks』

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Pet Shop Boys『Super』

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Soulvibe『Bersinar』

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Sung Huh『To Be Sung』

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アイドルネッサンス『アワー・ソングス』

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TAMTAM『NEWPOESY』

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蓮沼執太『メロディーズ』

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ブラジルのAORインドネシアのファンク、韓国のジャズ……2015年末にapple musicを導入したことで世界中の音楽にタイムレスにアクセスできるようになって、まさに蓮沼執太のアルバムジャケット状態の今日この頃。高校を卒業した春休み、初めてTSUTAYAの暖簾をくぐって物量に圧倒された日のことを思い出す。こんなに抜けねぇよ!っていう嬉しい悲鳴。ちなみに2016年で一番お世話になったAVは『友達JK 教え合いっこオナニー1』だったんですけど、残念ながら2013年の作品とのこと。どうでもいい。

某ブログの「ネットの音楽オタクが選んだ2016年のベストアルバム150」にランクインしてるのはNorah Jones(121位)、TAMTAM(95位)、蓮沼執太(22位)の3作品かな。そんなもんか。1位の宇多田ヒカルはぶっちぎりだったらしいね。まぁ納得。『Fantôme』聴いてないけど。それにしても、サブスクリプションサービスが市民権を得た年のベストアルバムが、サブスクリプションサービスに流通していない作品というのも興味深い。

楽曲単位では、Ed Greene『Green Light』、Soulvibe『Tak Bisa Menunggu』、℃-ute『人生はSTEP!』、こぶしファクトリー『チョット愚直に! 猪突猛進』、女王蜂『金星』、METAFIVE『Don't Move』あたりが特に印象に残ってる。

パンクロッカーの憂鬱

年始。元日から車のタイヤがパンクしたので己のカルマを呪いながらスペアタイヤに交換して閉店間際のオートバックスに駆け込んだら「本日のピット作業は終了しました」と言われて俺の頭がパンクするかと思った。あけおめ~。

仕方ないので俺自身の足回りを固めようとスニーカーを二足購入。

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CAMPERのIMARシリーズ、コパ・デル・レイ記念モデル。同型のハイカットのやつを履き潰したので買い替え。これまで街中で一度も見たことない。日本でこれ履いてんの俺だけじゃねぇの。いやマジで。

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スピングルムーヴ。カープとのコラボモデルとも迷ったけど、去年スニーカープ買ったし、てことでシンプルなやつにした。履き心地めちゃくちゃ良い。

あと、ずっと買おうと思ってた珪藻土マットも購入した。ビショビショのバスマットの不快感と、洗って干して何枚もローテーションする煩わしさ、その両方から解放されたので満足。

足元がバッチリ固まったところで、ようやく今日、もっぺんオートバックスに行ったら「こちらのタイヤは取り寄せになりますね」だってよ。取り寄せ。酉年だけに。ことよろ~。

 

さてさて。ベストアルバム2016は、夏頃に知り合いの家で聴いた女性ボーカルのやつです。誰だか聞いたけど忘れた。そもそも2016年にリリースされた作品なのかも分からない。そういう刹那的な聴き方というのも良いんじゃないすかね。一期一会って感じで。ダメですかね。

なんていうか、作品を評するのに、作者の経歴だとか制作に関する苦悩や葛藤を踏まえて、歌詞の一言一言を紐解いて、インタビューを読み漁って、思想や主張を汲み取って、自分なりの解釈を導き出して、みたいな聴き方って、そりゃあ文化的で尊い行為だと思うけど、ぶっちゃけ面倒くさいじゃん?それとも面倒くさいと思わないのがマニアなんすかね。国語の試験じゃねぇんだから、もっといい加減に聴かせてよ、ていう思いが最近は強い。2017年も適当に聴く。俺として俺は行く。俺ら問題ないんだろうな。

Melody never say good bye

10代の頃、千葉のロケ地まで静岡から自転車で行ったことがある程度の原作ファンなのでこれは楽しみ。むせ返るような夏の匂い、何年経っても思い出してしまうな。50分に満たない短編作品をどのように引き伸ばすのか不安もあるけど、そこさえ丁寧に再構築してくれれば傑作になり得ると思う。「ヴェルディvsマリノス」、「『スラムダンク』の最新刊」、「観月ありさ」、「セーラームーン」といったワードは何に置き換わるんだろう。

音楽は神前暁が担当とのこと。ガチで売りに来てる感。REMESIOSも 『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』のサントラが良かったし期待したんだけど、まぁ神前暁に文句があるはずもなく。主題歌はRADWIMPS『前前前世』やback number『ハッピーエンド』に倣って、やっぱり若者に人気のバンドが起用されるのかな。SHISHAMOとかありそうだ。ここはあえてフジファブリック若者のすべて』を、というのは安直すぎるかしら。ないかな。ないよな。


キタノブルーにも引けを取らないイワイブルー。もはや奥菜恵のイメージビデオ。押尾学とのニャンニャン写真が流出したときはそりゃあガッカリしたものだった。下からアレしたり、横からアレしたり、打ち上げまくったんだろうな。まぶた閉じて浮かべているよ。

 

若者のすべて』で思い出した。『若妻の疼き』。正直、本編は全然抜けない。ドラマ部分の健気な大根演技と、本編終了後の3分足らずのインタビューを楽しむ作品。特にインタビューは秀逸。誕生日とかスリーサイズといった「設定」をひととおり言い終えてからのガチ自己紹介に萌える。好きな食べ物。子供の頃になりたかった職業。そして「漫画が好きで、『グラップラー刃牙』とか『ゴルゴ13』をよく読んでます」という予想外のキラーワード。最高に抜ける。彼女にはぜひ『1・2の三四郎』も読んでいただきたい。もう読んでるか。インタビューの〆の言葉が「コンビニ最高だなって思います」というのも空前絶後で素敵だ。

プレイバックをプレイバック

前回のエントリに登場した山口百恵のラストコンサート『伝説から神話へ』は、中学生当時、CDレンタルしてMDにダビングするに飽き足らずDVDも購入するほどハマっていた。DVDは諸々の事情で『謝肉祭』がカットされてるんだよね。

伝説から神話へ 日本武道館さよならコンサート・ライブ [Blu-ray]
 

和やかなMC(オチも見事)から『プレイバックPart2』に入るときの豹変っぷりは今でも鳥肌モノだし、そこから阿木燿子&宇崎竜童の楽曲を連発する構成も良い。ていうか『プレイバックPart2』、改めて楽曲のクオリティがえげつないな。車をぶつけてきた相手に「プレイバック(もっぺん言ってみろ)」と怒鳴った途端、ブレイクを挟んで曲展開そのものをプレイバック(巻き戻し)しつつ、同じ言葉を言い放った昨夜へと場面をプレイバック(回想)させる手際の良さ。これだけでも素晴らしいのに、そこから前年の大ヒット曲『勝手にしやがれ』(沢田研二)における出ていった女性側の物語を見事に描いてしまう離れ業。サビでキッチリ「勝手にしやがれ」と歌わせて、元曲の「戻る気になりゃいつでもおいでよ」という歌詞に寄り添うように「あなたのもとへプレイバック」で〆。完璧すぎる。

百恵ちゃんってスタ誕で阿久悠に「あなたは青春ドラマの妹役なら良いけれど歌手は諦めた方が良い」と評されたんだよね。それが因果かは分からないけどデビューしてからも阿久悠とは縁がなかった。そんな百恵ちゃんに『勝手にしやがれ』(もちろん作詞は阿久悠)への返歌をあてがう阿木耀子の豪胆っぷり。シビれるぜ。

ちなみに1978年の紅白歌合戦は、紅組トリが百恵ちゃん『プレイバックPart2』で、白組トリがジュリー『LOVE (抱きしめたい)』だったりする。まぁ『LOVE (抱きしめたい)』も阿久悠ではあるんだけど、当時のNHKにもうちょっと気の利く人間はいなかったのかと。

どうでもいいけど、「朝までふざけよう ワンマンショーで」って、たぶん下ネタだよな。違うかな。俺の本日のワンマンショーは昼と夜の二部構成でした。勝手にしろって話ですね。

私的90年代フェイバリット

ネットの音楽オタクたちの間で90年代のフェイバリットアルバムを公開するのが流行っていて、普段こういう企画には乗らない性質なんだけど、なんとなく気が向いたので選んでみようかと。

で、せっかくなら後追いで2000年以降に聴いた作品は除外しよう、俺自身が本当に1990-1999年の間に聴いていた作品を選ぼう、と思ったわけ。そのほうが当時の空気感とか等身大の俺みたいなもんがガツンと高純度で出そうじゃんか。つーことで記憶を手繰って、印象に残ってる作品を3枚ほど選んでみたんだけどよ。

 

山口百恵『伝説から神話へ -BUDOKAN…AT LAST-』

YMO『SOLID STATE SURVIVOR』

オフコース『ツインベスト』

 

あれ?っていう。

よくよく考えてみたら、荒井由実矢野顕子かぐや姫矢沢永吉鈴木雅之井上陽水、安全地帯、ゴダイゴ吉田拓郎坂本龍一山下達郎……その辺の70-80年代の旧譜を後追いしてたのが俺にとっての90年代だった。

2003年くらいまでロックバンドを毛嫌いしてたのでヴィジュアル系ロキノン勢はもちろん、B'zミスチルスピッツサザンと言ったメガヒットバンドもスルーしてた。小室ファミリーより坂本ファミリーだったし、モー娘。はアイドルとして認めずに百恵ちゃん聖子ちゃん明菜ちゃん(せいぜいWinkまで)を崇めてた。宇多田ヒカル椎名林檎も当時はよく分かんなかったな。とにかく「流行りもんなんてロクなもんじゃねぇ!」っていう老害みたいなガキだった。

リアルタイムで聴いてた90年代の作品って、エキセントリック少年ボウイオールスターズ『ダウンタウンのごっつえぇ感じ音楽全集』、山下達郎『COZY』、槇原敬之『 Such a Lovely Place』『Listen To The Music』『Cicada』くらいしか思い浮かばないな。そもそも達郎と槇原にハマったから前述の70-80年代に先祖返りしたっていう順序なんだけどね。

COZY

COZY

 

てことで私的90年代フェイバリット・ワンはこれ。初めて自分の小遣いで買ったアルバム(ちなみに初めて買ったシングルは大滝詠一『幸せな結末』なのだ!どうだ羨ましいだろう!)。当時の自分にこの作品の良さが理解できていたとは到底思えないのだけど、背伸びしてる感じがしてドキドキしたのは覚えてる。達郎の『ドーナツ・ソング』とマッキー『君は僕の宝物』のせいで、「女の子とドーナツ屋に行く」という行為にめちゃくちゃ憧れたなぁ。そうそう、『氷のマニキュア』がKinKi Kidsの『kissから始まるミステリー』に似ている!ということに気が付いて、いわゆる作家性みたいなものを意識し始めたのもこの頃だった。

このアルバムを引っ提げて行われたコンサートツアーPerformance 1998-1999のブートレグも最高。色んなコンサートからテイクを寄せ集めた『JOY』よりも熱量がダイレクトに伝わってくる気がするな。

ありとあらゆるライブ音源の中でもトップクラス。東京オリンピックの開会式で達郎がカッティングギター鳴らしながら出てきたら号泣しながらうんこ漏らす自信ある。