ドラマは続く/HAPPLE

ドラマは続く

ドラマは続く


HAPPLE 『サーカス』 ミュージックビデオ

 

HAPPLEの1stアルバム『ドラマは続く』から『サーカス』のMVがアップされた。『ドラマは続く』は本当に良いアルバムなのでセンチメンタルなポップが好きな人だったらきっと気に入ると思う。そもそもオフィシャルの

モータウンmeets自由が丘のトキワ荘
愛と笑いと涙で生まれたシティポップの金字塔、ここに誕生!

 という謳い文句からして素敵すぎる。まず自らの音楽を「シティポップ」と称しているところに彼らの確かな矜持を感じることができる。シティポップ、それは街の歌。路傍の歌であり、市井の歌であり、つまるところ僕らの歌。「片想インダハウス」と同じように、他のどこでもなく「ここ」で鳴り響く、日常の中に当たり前の顔して存在する僕らの歌。で、そのタイトルが「ドラマは続く」なんだよ。そう、このアルバムは、彼らのドラマであり、僕らのドラマなんだよ。もうこの時点で泣きそうになる。

もちろん音楽性も抜群に良い。トランペットやフルートなど様々な楽器が、「ここぞ!」というタイミングで「それだ!」という音を鳴らす。聴いていて本当に心地良い。思わず口ずさみたくなるメロディと相まって、歌詞が言葉となって胸にすぅっと染み込んでくる。そういった部分のテクニックというかセンスは90年代のマッキーが最強だと思ってるけど、HAPPLEもめちゃくちゃレベル高いと思う。キーボードの音色と男性ボーカルの声質のせいか残像カフェなんかも思い出したり。

音楽として鳴らされる音が、歌詞として歌われる言葉が、他人事ではなく自分自身のテーマソングとして圧倒的な存在感を宿し、良いことも嫌なこともひっくるめてドラマは続いていくんだと力強く僕らの人生を肯定してくれる。君の歌は僕の歌。How wonderful life is while you're in the worldってことです。HAPPLE最高。こういうバンドがもっともっと評価されて欲しい!

 

……余談だけど、「Your Song」の

And you can tell everybody this is your song

 って部分、「これは俺の歌なんだってみんなに言っていいんだよ」っていう歌詞なんだから

And you can tell everybody this is my song

 になるんじゃないかって思ってるんだけど文法的に間違ってんのかな。まぁタイトルが「Your Song」だからそれに合わせたのかも知れんけど。