ドラえもんにおけるジャイアンズのポジション問題について

1 左 ドラえもん

2 二 源

3 三 出木杉

4 投 剛田

5 中 骨川

6 一 安雄

7 右 はる夫

8 捕 ジャイ子

9 遊 のび太

これね。セカンド源、ショートのび太。この二遊間どうなのっていう。ライパチ(草野球で素人はライトで8番打者がお決まり)って言葉があるくらいなんだから、のび太をライトに回して、出木杉をショートに置けば良いのにって思いがちなんだけど、ここには剛田監督の、というより藤子F不二雄の草野球観が透けているのである。

まず草野球において重要なポジションは、ピッチャー、キャッチャー、ファーストの三つ。単純にボールを触る機会が多くて、ここが素人だと試合が成り立たない。よって剛田兄妹とモブの安雄が担当する。

外野はゴロヒットを長打にしないために「後ろにボールを逸らさない」という最低限のことが求められるのだけど、のび太にはその最低限の守備力すら備わっていないため、彼を外野に回すと彼の方向に飛んだ打球はフライもゴロもすべてランニングホームランになってしまう。結果、外野はセンターにそこそこ脚力のあるスネ夫を置いてライトとレフトに鈍足二人を配置することに。

残るは二遊間とサード。普通であれば冒頭に述べた通り出木杉を守備の花形ポジションであるショートに置き、のび太よりは幾分マシと思われる源をサード、余ったのび太を消去法でセカンドに置くのがベターだ。当時は左打者が少ないだろうし、小学生の草野球で右打者のセカンド方向への流し打ちは滅多に飛ばないだろう。セカンドのび太は合理的に思える。しかし待って欲しい。この場合、右打者が引っ張った強い打球をサード源が処理することになる。しかも打球が三塁線を抜けたらレフトが青狸のため長打は必至。これはまずい。ということでサード出木杉に変更を余儀無くされる。なるほど、じゃあショート源セカンドのび太か。……いやそれも違う。なぜならサード出木杉の守備範囲は広大だ。長嶋茂雄がサードを守りながらショートゴロまで捌いていたように、ショートの守備機会は激減するだろう。サード出木杉がショートも守りつつ、セカンドに源を配置して実質的に8人で守る。これだ。これこそがジャイアンズの守備体系なのだ。事実、上記画像の一番上のコマには3つのアウトを全て出木杉が処理したとある。のび太には名目的にショートというポジションが割り当てられているだけなのだ。

こんな風に何気ない数コマにも藤子F不二雄の遊びに対する徹底したこだわりが見える。子ども向け。だからこそ徹底して真剣。こういう仕掛けがそこかしこにあるんだから、そりゃ大人になっても心を捉えて離さないよなあ。いや思いのほか熱く語ってしまった。

 

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『だらん』という曲が良かった。気の抜けたタイトルの語感を裏切るスタイリッシュなファンク調ナンバー。パートナーの浮気に勘付いて「もう出ていけよ」と突き放す、という槇原にしては相当珍しいタイプの歌詞が印象的。『勝手にしやがれ』みたいな未練タラタラという感じでもなくて、冒頭の

いるものは持って行って

いらないものは置いていけばいい

ドアを閉めた後ぼんやり

しながら集めて捨てるから

という歌い出しからして完全に醒めきっているのが良い。

こんなにいっぱいの君の抜け殻集めて

ムダなものに囲まれて暮らすのも幸せと知った

なんて歌っていた『もう恋なんてしない』の主人公を思うと感慨深いものがある。ライブでは是非この2曲を続けて披露して欲しいところ。最近よく聴いている音楽は

美しい傷

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The Secret Life of VIDEOTAPEMUSIC

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この辺り。今年の夏はどこに行っても有線から『Lemon』、『白日』、『空の青さを知る人よ』、『Pretender』が流れてて拷問かと思ったけど、けもの『ただの夏』とVIDEOTAPAMUSIC『Summer We Know』があったので無事に乗り越えることができた。


リヴァーブ強めの音楽に魅かれていく身体。抑えられない。