初めてフジロックに行ってきた(三日目)

台風一過で晴れ渡った最終日。

 

◆スカート(10:20-11:00 RED MARQUEE)

晴れた日曜日、昼間、野外。ポップミュージックにとって最高のロケーションが揃って実写版クッキングパパもご満悦の様子。ただひたすら心地いいシティポップというわけでもなく、実は鬼気迫ってたり、どこかで孤独を感じてたり、不意に垣間見える狂気じみたものにハッとする瞬間が個人的にスカートの魅力だと思ってて、このライブでも随所にそれを感じることができて良かった。

 

その後、雨と汗と泥で汚れきった身体を清めるべく会場近くの温泉へ。ひとっ風呂浴びて昼メシを食べたら戻るつもりだったのだけど、うっかり長居してしまって、会場に戻ってきたのが16時過ぎくらい。

 

◆HYUKOH(16:30-17:20 WHITE STAGE)

何年か前にシャムキャッツの夏目くんがレコメンドしていて存在を知った韓国の4人組バンド。ホワイトステージがほぼ満員。人気あるんだなぁ。

ストイックな演奏スタイル、ミニマルな曲構成、MCも最低限というストロングスタイルなんだけど、すごく人間味を感じるライブだった。もっと言えば、このタイミングで韓国のバンドが日本のロックフェスで演奏することの意義を感じるような構成だったと思う。『LOVE YA!』という曲にはビートルズ忌野清志郎のマインドを感じたし、彼らのロックバンドとしての「真摯さ」に思わず胸が熱くなった。

 

THE CURE(21:00-23:15 GREEN STAGE)

スピッツだったり、ピロウズだったり、キュアーに影響を受けたバンドの音楽を浴びて育ってきた(L'Arc〜en〜Cielは全く聴いてこなかったけども)自分にとって、彼らのライブは初めて観るのに懐かしく感じる瞬間が多々あって、会ったこともないご先祖様がキュウリの馬に乗ってやってきたようなスピリチュアルな感覚に包まれて思わず泣きそうになったけどボーイズドントクライ。この例えだとキュアーが死人のようだけども。

楽曲そのものの瑞々しさはもちろんのこと、演奏に関してもテクニックをひけらかすようなプレイに走らないのが実に素晴らしかった。これは数々の名曲が未だロバートスミス自身の卓越したポップセンスとオルタナティブなパッションに支えられていることの証明だと思う。テクニカルなアレンジを加えた『Friday I'm In Love』なんて誰が聴きたいと思うのかって話。でもそういうことやっちゃうバンドいくらでもいるからね。

 

そんなわけで初のフジロック終了。チケットがもっと安くなって会場が近くなってゴミが減って雨が降らない涼しい時期にやってくれたらまた行きたいと思えるほど楽しかったです。