プレイバックをプレイバック

前回のエントリに登場した山口百恵のラストコンサート『伝説から神話へ』は、中学生当時、CDレンタルしてMDにダビングするに飽き足らずDVDも購入するほどハマっていた。DVDは諸々の事情で『謝肉祭』がカットされてるんだよね。

伝説から神話へ 日本武道館さよならコンサート・ライブ [Blu-ray]
 

和やかなMC(オチも見事)から『プレイバックPart2』に入るときの豹変っぷりは今でも鳥肌モノだし、そこから阿木燿子&宇崎竜童の楽曲を連発する構成も良い。ていうか『プレイバックPart2』、改めて楽曲のクオリティがえげつないな。車をぶつけてきた相手に「プレイバック(もっぺん言ってみろ)」と怒鳴った途端、ブレイクを挟んで曲展開そのものをプレイバック(巻き戻し)しつつ、同じ言葉を言い放った昨夜へと場面をプレイバック(回想)させる手際の良さ。これだけでも素晴らしいのに、そこから前年の大ヒット曲『勝手にしやがれ』(沢田研二)における出ていった女性側の物語を見事に描いてしまう離れ業。サビでキッチリ「勝手にしやがれ」と歌わせて、元曲の「戻る気になりゃいつでもおいでよ」という歌詞に寄り添うように「あなたのもとへプレイバック」で〆。完璧すぎる。

百恵ちゃんってスタ誕で阿久悠に「あなたは青春ドラマの妹役なら良いけれど歌手は諦めた方が良い」と評されたんだよね。それが因果かは分からないけどデビューしてからも阿久悠とは縁がなかった。そんな百恵ちゃんに『勝手にしやがれ』(もちろん作詞は阿久悠)への返歌をあてがう阿木耀子の豪胆っぷり。シビれるぜ。

ちなみに1978年の紅白歌合戦は、紅組トリが百恵ちゃん『プレイバックPart2』で、白組トリがジュリー『LOVE (抱きしめたい)』だったりする。まぁ『LOVE (抱きしめたい)』も阿久悠ではあるんだけど、当時のNHKにもうちょっと気の利く人間はいなかったのかと。

どうでもいいけど、「朝までふざけよう ワンマンショーで」って、たぶん下ネタだよな。違うかな。俺の本日のワンマンショーは昼と夜の二部構成でした。勝手にしろって話ですね。