君のことを思い出させる季節になりました

その昔、暇を持て余して一人で映画館に行って、ナイト・シャマランの『サイン』を観たことがある。俺の記憶が確かなら日本での公開初日。つまり2002年9月21日。劇場で『インソムニア』にしようか悩んだものの、「あの大ヒット作『シックス・センス』の監督の最新作」みたいな煽りポスターを見て『サイン』に決心したのを覚えている。2時間後、放心しながら映画館を出た。「なんだあのクソみたいなオチは」と。

ということで長らく俺の中で「キング・オブ・クソ映画」として君臨していた『サイン』。先日CSでやってたのでゲラゲラ笑ってやろうと観賞。すると「あれ、意外と良いじゃん」「むしろ面白い」「そういう映画だったのか」と、みるみる名誉挽回。それまで俺がクソ映画だと思っていたポイント、たとえば宇宙人の造形だとか、そういう部分にこそ意味が隠されていて、すごくイギリス的な皮肉っぽい映画なんだと気付かされた。超保守的なカトリックであるメル・ギブソンを起用したのも一種のサインだったんだなぁ、と14年越しで納得。これまでの懺悔も込めて、このたびブルーレイ盤を購入するに至りました。シャマランごめんな。

サイン [Blu-ray]

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こんな風に「クソだな」と思っていたものが実はクソじゃなかったりするので、さっき俺のパンツに付いていたものもクソじゃないのかも知れない。……なんだこのクソみたいなオチは。

 

オールドスタイルかつ季節感ゼロで、何にも迎合しない感じがミツメらしい。アルバムが楽しみ。『真夜中』とか『キッズ』とか『幸せな話』とか、既に発表されてるトラックタイトルだけ眺めても期待が持てる。

いやしかし、ceroとかシャムキャッツとかミツメは好きだけど、合コンで持って帰るなら西野カナを聴いてるような子が良いなぁ、とボンヤリ思ってみたりする。何年か前、初めて会ってそのままカラオケ行った女の子に、いきなり空気公団を歌われて牙を抜かれたなぁ。わざわざ新幹線で会いに行ったのになぁ。いっそのこと小谷美紗子とか鬼束ちひろを歌ってくれたら虎穴に入らずんば的な好奇心が生まれたのに。

 

これを書いてる間にスチャダラパーSMAP×SMAPに出演の報。ダウンタウンの深夜番組に出演して嫌いなミュージシャンの話をしてたスチャが、スマスマでブギーバック。成し得た感ある。「レッツロックオン」もやるということなので

また誰かのこと恨んでる

本質ずらして目くじら立ててる

奴らを横目に独自路線

 ここのリリックを日本中に轟かせて欲しい。