そんな時代もあったねと いつか話せる日が来るわ

クリープハイプの件は、まぁ古今東西よくあるトラブルで、一言で片付けるなら

 

Q40 音楽を志す若者へのひと言。

「プロになりたいんだったら、契約概念を把握しておくこと。金の話を避けて通ると、あとで必ず、大変なことになりますから。音楽的なことで言えば、自分がやりたいことをどれだけ貫徹できるか、ですね」

 

ってことだよなぁ。

これだけ憤ってるってことは契約条項の不履行による枚数消化のためのリリースってわけではないだろうし、本当に寝耳に水なんだろうけど、それならそれで「え、じゃあ何も不履行を起こさなくても勝手に作品をリリースされる条件で契約してたんだ?」って話。

私企業が“一若手バンドとの信頼”と“決算期の利益追求”を天秤にかけてどちらを取るかは明白なわけで、レコ社からしてみりゃ「悪いとは思うけど、そこまでケチョンケチョンに言わなくてもよくね?君らもうすぐ武道館なんだし、ライト層を取り込む絶好のタイミングなんすよ。サザンのシングルが大コケした俺らの事情も分かってよ」ってとこでしょ。

とまぁ、ここまでわりとレコ社を擁護するようなこと書いてきたけど、レコ社の事情を汲んで納得してしまうロックバンドというのもどうかと思うし、ぶっちゃけ彼らの熱心なファンではない人間からすると今後の作品が気になるってのが正直なところ。“ロックと体制”、“理想と現実”、“若者と大人”の衝突を経験して、『ストレンジカメレオン』みたいな傑作が生まれてもおかしくないぞ、と僕なんかは思ってしまうわけです。

とりあえず彼らのファンはビクターに批判とか抗議したりせずに「あぁ、クリープハイプは経営的に期待されてるんだ」とでも思っておくのが精神衛生上よろしいんじゃないですかね。