2013年ベストソング30(10位→6位)

馬鹿め!トップテンの発表と思ったか!というわけで10位から6位。

 

10.Succession/Hotel New Tokyo

 
2006年の『ガウディの憂鬱』の頃に名前を知って、楽曲も聴いたはずなんだけど、当時はそこまでピンと来なくって。でも久々に聴いてみた今作には超ハマった。エレピやホーンを交えたスタイリッシュで緩やかなグルーヴ。高揚感に満ち溢れたエヴァーグリーンなメロディー。ヨー・ハーディングの透き通ったボーカル。そして本作がダンサーデビューとなる元・天てれ戦士、バーンズ勇気によるトム・ヨーク風ダンス。これぞホテルニュートーキョーの極上スイートのルームキーだ、なんて気取ったことを言いたくなってしまう洒落っ気たっぷりのアーバンミュージック。

 

9. Saturday night to Sunday morning/Shiggy Jr.

SHISHAMOは「ボーカルが可愛すぎないところが最高に良い」と書いたけど、こっちは逆にボーカルが可愛いところが最高に良い。このポップでハッピーでキュートな音楽は可愛い女の子が歌っていなければ成立しない世界観なのだ。ポップネスの強度は『じょいふる』と同等だとしても、諸般の事情によりいきものがかりがどうしても踏み入れることができない領域に彼女たちはいると思うし、PVでの悪ふざけ、あひる口、困り顔、上等でしょう。ぶっちゃけアイドルが歌ってても完璧に成立してしまう曲だよなー。まぁ作り手もあえてそっちに寄せてきてるんだろうけど。

 

8. U & I/クラムボン

買いそびれていたカバーアルバム『LOVER ALBUM 2』をようやく聴いたら、とびきりこの曲が良くて、オリジナルは誰の曲だろうとググったのがほんの2週間前のこと。あれよあれよとゴボウ抜きして堂々の8位。オリジナルはどうしたってバンドサウンドにならざるを得ないわけだけど、本来はこういうアコースティックっぽい音で歌われるべき内容なんだよね。まるであるべき姿であるかのように聴こえるのは僕がこっちに先に出逢ってしまったせいかしら。

 

7. 雪が降る/黒沼英之

「SME時代までの槇原敬之ファンだったら絶対に気に入るから!」と勧められて『ふたり』を聴いたときは、まぁ影 響を受けてるのは分かるけどねー、程度の印象だった。悪くはないけど、正直あんまりインパクトは感じなくって。ただ、そのあとにリリースされた1stシン グル『パラダイス』がめちゃくちゃ良くて、シングルを買ってみたらカップリングの本作が超絶名曲で一気に惹き込まれた。何この『雪に願いを』と『北風』と 『冬がはじまるよ』と『三月の雪』と『今年の冬』と『12月の魔法』を足して割らない感じ!っていう。あらきゆうこ、隅倉弘至(初恋の嵐)というリズム隊を迎えており、あくまで打ち込みにこだわる槇原の楽曲群よりもトラックが力強く生々しい。

 

6. そんなに大きな声で泣いてなんだか僕も悲しいじゃないか/忘れらんねえよ

ここまで見てきた人なら分かると思うけど、ロックらしいロックって今年はあんまり聴いてなくって。いや、まぁ、それなりに聴いたけど本当に良いなと思えたのは少なくって。まぁロックが不作だったかっていうとそうでもないはずなので、単純に僕個人の気分とか嗜好の問題だろうな。

ただ、忘れらんねえよ『空を見上げても空しかねえよ』はめちゃくちゃ聴いた。特にロックアンセム然としたこの曲は何度も何度も聴きまくったし、歌詞を全てソラで歌えるようになった曲って今年はこれだけじゃないかな。それくらい言葉に力が宿ってる一曲だと思う。以前の記事でも引用したけど

メロディが探してる言葉を見つけて
歌にして君に差し出したいんだ
それすらできないなら
僕に生きる意味なんてないんだよ

15才で見つけた大事なものは
この先もずっと頼りになるから
手放しちゃだめだよ
いつまでも僕はそばにいれないよ

この破壊力はちょっと計り知れない。この歌詞でありさえすればどんなメロディでも上位にランクインしたんじゃないか、そんな気すらしてくる。ちなみに僕が15才で見つけた大事なものは、ポップミュージックの魔法です。これだけは手放せない。